このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

1 健康寿命の延伸につながる食育の推進


厚生労働省では、平成25(2013)年度から開始した「健康日本21(第二次)」において、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現を目指して53項目の具体的な目標を設定しています。目標達成に向け、主要な項目については継続的に数値の推移等の調査や分析を行い、都道府県における健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努める必要があることから、平成26(2014)年度から開始した「健康日本21(第二次)分析評価事業」では、「健康日本21(第二次)」の目標項目について、現状値を更新し、グラフ化や「健康日本21(第二次)」の目標設定等に用いられている「国民健康・栄養調査」における主要なデータの経年変化と諸外国との比較に関する分析を行っています(*1)。また、健康格差に関する基本データとして、「国民健康・栄養調査」における都道府県別の状況や都道府県等健康増進計画の目標値に関連する施策の取組事例について整理をし、厚生労働省及び本事業の委託先である国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所のウェブサイトに掲載しています(*2)。

「健康日本21(第二次)」では、健康寿命の延伸に向け、企業・民間団体・地方公共団体と協力・連携した取組として「スマート・ライフ・プロジェクト」 を推進しています。毎年9月に展開している食生活改善普及運動では「食事をおいしく、バランスよく」を基本テーマに、野菜摂取量の増加、食塩摂取量の減少及び牛乳・乳製品の摂取習慣の定着に向けた取組を実施しています。令和2(2020)年度は、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、家庭で食事をとる機会が増加したと見込まれることから、家庭での食生活改善の重要性を普及・啓発することに焦点を当て、「スマート・ライフ・プロジェクト」のウェブサイトに普及啓発ツールを掲載するとともに、地方公共団体等の取組例を紹介するなどの情報発信を行いました(*3)。

*1 健康日本21(第二次)分析評価事業(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所):https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/index.html(外部リンク)

*2 国民健康・栄養調査に関する情報のページ(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所):https://www.nibiohn.go.jp/eiken/chosa/kenkoeiyo.html(外部リンク)

*3 食生活改善普及運動令和2年度取組例(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/content/000701285.pdf(外部リンク)

食生活改善普及運動 「おうちご飯にバランスプラス」

食生活改善普及運動 「おうちご飯にバランスプラス」

国民医療費(医科診療医療費)の約3割、死亡者数の約5割が生活習慣病によるものとなっています(厚生労働省「平成30年度国民医療費」、「令和元年(2019)人口動態統計」)。このため、平成20(2008)年度から、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導制度が実施されています。この制度は、生活習慣の改善に主眼を置いたものであり、保健指導の実施によって、悪性新生物以外の生活習慣病に係る国民医療費の抑制に対応するものです。

さらに、糖尿病の発症予防のためには、生活習慣の改善、適切な食生活や適度な運動習慣等によって糖尿病予防に取り組もうとしている人たちを支援していく環境の整備が必要であることから、厚生労働省補助事業「糖尿病予防戦略事業」を実施しています。本事業では、地域特性を踏まえた課題解決型の予防対策や、飲食店等と連携して食事のバランスに偏りのある対象集団にアプローチする食環境整備の推進を図っています。

保健所や市町村保健センターにおいては、地域の健康増進計画に基づき健康づくりに関する事業が行われており、管理栄養士等による栄養指導や運動指導が行われています。

農林水産省では令和元(2019)年度、従業員等の健康管理に配慮した企業等の先進的な食育推進に関する事例集を作成・公表しました(*4)。

*4 企業の食育推進事例集(農林水産省):https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kigyo/jirei.html

事例:図書館と協働した「おうちご飯」での食生活改善の取組
~コロナ禍における「おらほの健康☆りくぜんたかた」の推進~

岩手県陸前高田市(りくぜんたかたし)

図書館での取組の様子

図書館での取組の様子

陸前高田市(りくぜんたかたし)では、「食育基本法」及び「第3次食育推進基本計画」や「岩手県食育推進計画」を基本とし、平成28(2016)年度に、陸前高田市(りくぜんたかたし)の「食育推進計画」を策定しました。「はまって かだって みんなで食べっぺし!(集まって語り合い、皆で食べましょう) おらほの健康☆りくぜんたかた」をスローガンとし、<1>すべてのライフステージに応じた食育の推進、<2>地域の特性や食文化を活かした食育の推進、<3>地域の人やつながりに根ざした食育の推進の3本の柱で取り組んでいます。

陸前高田市(りくぜんたかたし)立図書館は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けましたが、平成29(2017)年7月に市の中心市街地に新図書館として設立・再開し、市民の憩いの場として活用されています。図書館には令和元(2019)年度から食育の取組に参加してもらっており、毎年、食育月間になると「食」に関する本のコーナーを特設したり、減塩に関するチラシ等を設置しています。

令和2(2020)年度、陸前高田市(りくぜんたかたし)では前述<1>の食育推進の一環として、厚生労働省が行う食生活改善普及運動の期間にあわせて、9月から図書館で食生活改善に関する普及啓発の取組を実施しました。コロナ禍での外出自粛により家庭で食事をとる機会が増える中、より自宅での食生活改善の重要性が高まると考えられます。料理本は普段から人気が高く、料理本コーナーなら多くの来館者の目につきやすいという図書館職員の意見を踏まえ、令和2(2020)年度は、ふだんの食事作りの中で食生活改善を図るきっかけになるように、料理本コーナーの棚に食生活改善に関する普及啓発のポップとチラシを設置しました。「おうちご飯」をテーマにした「おいしく減塩1日マイナス2g」、「毎日プラス1皿の野菜」、「毎日のくらしにwithミルク」のマークと、食品に含まれる食塩の量の一覧や関連のあるレシピを一緒に載せるなど、チラシを手に取ってもらえるように工夫しました。

この取組は地元の新聞に取り上げられ、新聞を読んだ市民が図書館に来館するなど、広く知られることとなりました。図書館で取組を実施することで、幅広い年代の多くの市民に向けて普及啓発を図れました。

今後も図書館と連携して、こうした取組を定期的に実施し、食育の推進に取り組んでいきたいと考えています。

普及啓発チラシの一例

普及啓発チラシの一例



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4578)
ダイヤルイン:03-6744-2125
FAX番号:03-6744-1974

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader